2016.07.11

健速神社本神輿の一日    
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7月9日(土)、10日(日)と行われた市民祭り。
たくさんの人が出て、賑やかでしたね!

ご存じのように、このお祭り、もともとは1,000年以上続くといわれている健速神社例大祭。「小諸祇園祭り」とも呼ばれ、長年、市民に愛されてきました。

島崎藤村の『千曲川のスケッチ』にも、藤村の目に映った小諸の祇園祭りの様子が描かれています。
(『千曲川のスケッチ』は青空文庫で無料で読むことができます。http://www.aozora.gr.jp/cards/000158/files/1503_14594.html

健速神社やその神輿のことを少しと、昨日のことを少し書いてみようと思います。

健速神社は、荒神としても知られる健速須佐之男命(タケハヤスサノオノミコト)を祠る神社です。そして、その神輿は勇ましい「暴(あば)れ神輿」。勇壮な担ぎのエネルギーで災厄を追い払い、五穀豊穣を願う、遠い昔からの小諸地域の人びとの願いが今も宿る神輿でしょう。

この神輿、小諸の人たちには「本神輿」と呼ばれ、祭りの二日目にお目見えします。

今年の祭りの二日目にあたる7月10日には、朝から健速神社で浦安の舞の奉納、神事、そして健速神輿出御(宮出し)と健速神輿出御(「階段落とし」)に始まり、本神輿は市中を練り歩きました。神社の社から続く、狭くて急な階段を斜めになった神輿が駆け下る「階段落とし」は勇壮で、応援に駆けつけた人たちからも大歓声が上がります。

夕方にかけて町場では、神輿の担ぎ手さんたちが少しだけ息をつく時間のお振る舞いの準備におお忙し。そこには神輿を支えているたくさんの人たちの姿を見ることができます。

すっかり日も暮れたころ、神輿は江戸時代の市町との境周辺で引き渡しの儀を再現します。その後、「よいと~、よいと~」の厳粛な掛け声のなか、神輿と担ぎ木を繋ぐ綱を蚤で切りながら、神輿は本町にある仮宮へ。

神輿が一日中暴れてもほどけないようにしっかりと結ばれた綱を、動いた状態のままで切り出すのは大変。また、その間、神輿がバランスを崩さないように、朝から約10時間もの間神輿を担ぎ続けた担ぎ手さんたちも最後の力を振り絞ります。そんな緊張した空気のなか、神輿をぐるっと幾重にも囲んだ多くの人たちから、「あと少し!!」「頑張れ!!」とたくさんの励ましの声がかかります。小諸の祭りは、神輿の担ぎ手さんとの距離がとても近いですから、見ている人も神輿の担ぎ手さんも、もう一体となって仮宮に向かいます。

夜10時前、大きな歓声と拍手に包まれて仮宮に納められた神輿。その前で、神主さん、担ぎ手さん、神輿を支えた多くの人たちが祈りを捧げ、蚤で切られた綱が撒かれました。熱く、そして厳かな祀りは、高原の心地よい夜の空気のなかで幕を閉じ、神輿は仮宮で静かな夜を迎えました。

この祭りが終わると、あぁ、小諸にも本格的な夏がもうすぐやってくるな、と感じます。

遠い昔の小諸地域の人たちの願いに思いを馳せながら、この祭りが今も大切に受け継がれていることをありがたく感じた一日でした。


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